シロアリ駆除は薬剤の成分で安全性が決まる！系統ごとの毒性と商品例

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シロアリ駆除は薬剤の成分で安全性が決まる！系統ごとの毒性と商品例

シロアリ駆除は、使用する薬剤の成分によって効果や安全性が変わってきます。

シロアリの巣が特定できているか、小さな子どもやペットがいても安心して使用できるかなど、状況応じて適した薬剤を選ばなければいけません。薬剤選びをあやまってしまうと思うような効果が出なかったり、健康被害を受けたりすることもあるのです。

本記事ではシロアリ駆除に使う薬剤の成分に注目して、その種類や特徴についてまとめました。薬剤の効果や安全性をよく知ったうえで、適切な薬剤を選んでシロアリを駆除しましょう。

自分での薬剤選び・シロアリ駆除に不安があるという方は、シロアリ駆除お助け隊にご相談ください。シロアリ駆除お助け隊は「日本しろあり対策協会」指定の工法で、安全な薬剤のみを使用してあなたの家のシロアリ駆除をサポートいたします。

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シロアリ駆除の薬剤の成分は7つの系統に分類される
薬剤成分の系統①「ネオニコチノイド系」は仲間のシロアリにも伝播する
薬剤成分の系統②「ピレスロイド系」はシロアリを寄せつけない
薬剤成分の系統③「フェニルピロール系」は絶大な殺蟻力
薬剤成分の系統④「フェニルピラゾール系」は少量でも強力に効く
薬剤成分の系統⑤「カーバメート系」は巣の中のシロアリ駆除にも最適
薬剤成分の系統⑥「ホウ素化合物系」は屋内でも安全に使える
薬剤成分の系統⑦「ヒノキチオール系」はヒノキ由来の天然予防剤
シロアリ駆除の薬剤は成分の特徴を理解して選ぼう！

シロアリ駆除の薬剤の成分は7つの系統に分類される

シロアリ駆除用の薬剤といっても種類はさまざまで、含まれる成分も製品ごとに異なります。成分によって安全性や駆除効果にも大きな違いが出ますので、使用する薬剤について事前に理解を深めておくことが大切です。

一昔前のシロアリ駆除では「クロルデン」などの有機塩素系薬剤や、「ホキシム」「クロルピリホス」などの有機リン系薬剤が使われていました。しかし、前者は分解されにくく土壌汚染の原因に、後者はシックハウス症候群の原因になることから、どちらも現在では使用禁止とされています。

※シックハウス症候群：建材の接着剤や防腐剤に含まれる「ホルムアルデヒド」「トルエン」などの化学物質、ダニやカビなどが原因で頭痛、吐き気、めまいなどの症状が出ること。

現在一般的に使用されているシロアリ駆除剤は、含まれる成分によって以下の5つの系統に分類されます。

ネオニコチノイド系
ピレスロイド系
フェニルピロール系
フェニルピラゾール系
カーバメート系
ホウ素化合物系
ヒノキチオール系

ここからは、上記7つの薬剤系統の「特徴」「含まれる成分」「効果」について解説していきます。

効果は以下の5項目をそれぞれ3段階で評価しています。被害の状況や家庭環境に応じて、最適なシロアリ駆除剤を使用するようにしましょう。

伝播（でんぱ）性：
1匹のシロアリから巣にいるほかのシロアリに効果が広がることを表します。
非忌避性：
薬剤に対してシロアリが警戒しにくいことを表します。
遅効性：
しばらく時間が経ってから効果が出ることを表します。シロアリが巣に戻ったあとで効力を発揮します。
安全性：
人畜にとっての薬剤の安全性を表します。
低臭性：
薬剤のにおいの強さを表します。においが少ないものほど★は多くなります。

薬剤成分の系統①「ネオニコチノイド系」は仲間のシロアリにも伝播する

近ごろのシロアリ駆除で主流となっているのが「ネオニコチノイド系」の薬剤です。この薬剤はタバコに含まれる物質「ニコチン」に似た成分で製剤されており、殺蟻（さつぎ）性が高いながら哺乳類や魚類に対しての毒性が低いことが特徴です。

含まれる有効成分

クロチアニジン
アブラムシ、カメムシなど、幅広い種類の昆虫に殺虫効果があります。
アセタミプリド
昆虫の神経興奮を促し、神経伝達を阻害する効果があります。
チアメトキサム
植物に対して浸透性があり、防虫効果があります。
イミダクロプリド
神経系、および体重増減に影響を与える成分です。
ジノテフラン
野菜や果樹などの害虫予防成分として使用されることがあります。

ネオニコチノイド系薬剤の効果

伝播性★★★
非忌避性★★★
遅効性★
安全性★★★
低臭性★★

ネオニコチノイド系薬剤は安全に使用できるというのが一番のメリットでしょう。また、伝播性と非忌避性に優れているため、巣に残っているシロアリも効率的に駆除することができます。

代表的なネオニコチノイド系駆除剤

タケロックMC50スーパー [2L] 白アリ駆除剤シロアリ駆除剤噴霧器ジョウロで施工可能超低臭日本エイバイロケミカルズ

日本エンバイロケミカルズ社が製造している防除剤です。木材に吹き付け、あるいは塗りつけることで防蟻（ぼうぎ）効果を発揮します。「日本しろあり対策協会」と「日本木材保存協会」から認定を受けた製品です。

業務用シロアリ駆除用ガントナームースエアゾール 400ml 木材害虫防除剤

住化エンバイロメンタルサイエンス社が開発したスプレータイプの木部処理剤です。床下の木部など、せまいすき間に潜んでいるシロアリを駆除することができます。木材の内部に住みついたシロアリも、ドリルで木材に穴を開けて薬剤を噴霧することで駆除可能です。

白アリミケブロック業務用400ml 白蟻駆除用木部処理用乳剤

吉田製油所が取り扱っている50倍希釈の木部処理剤です。においが少なく、揮発性が低いのが特徴です。「日本しろあり対策協会」と「日本木材保存協会」から認定を受けています。

水性キシラモン3W　木部処理用乳剤　XYLAMON　4L【大阪ガスケミカル株式会社】

大阪ガスケミカル社が販売している製品です。ハケを使用して木材表面に塗布することで薬剤が木材の内部まで浸透し、長期間シロアリ被害と木材の腐敗を防止します。「日本しろあり対策協会」と「日本木材保存協会」、「文化財虫菌害研究所」により認定されている製品です。

薬剤成分の系統②「ピレスロイド系」はシロアリを寄せつけない

「ピレスロイド」とは、除虫菊に含まれている成分「ピレトリン」を見本に化学合成されて作られた殺虫成分のことです。シロアリの神経に作用し、マヒやけいれんなどを引き起こします。

含まれる有効成分

ペルメトリン
アオムシ、ハマキムシ、アブラムシなどに高い殺虫効果を発揮する成分です。
ビフェントリン
殺虫効果があり、土壌に吸着する性質があります。そのため、成分の溶け出しによる地下水汚染の危険性は低いです。
トラロメトリン
神経細胞の生体膜に作用し、イオン透過を妨げて過剰な興奮状態にさせる働きがあります。
ピレトリン
除虫菊に含まれる成分で、殺虫効果がありますが人畜にはほとんど影響を与えません。
シフェノトリン
殺虫性と効果の持続性が高く、殺虫スプレーなどに用いられる成分です。

ピレスロイド系薬剤の効果

伝播性★
非忌避性★
遅効性★
安全性★★
低臭性★★★

ピレスロイド系薬剤は速効性があるのが特徴です。また、忌避性（シロアリが近寄らなくなる性質）があることから、駆除後にはシロアリ予防の効果も期待できます。

ただし、薬剤の伝播性が低いので、巣の場所をきちんと特定してから一気に散布して駆除しましょう。散布漏れがあると、薬剤が散布されていない箇所から集中的にシロアリが侵入してくるおそれがあるため注意が必要です。

代表的なピレスロイド系駆除剤

ピレキラ虫よけパウダーピレスロイド系殺虫剤 1.5kg ヒアリ対策にも

パウダータイプの殺虫剤です。使い方は「家のまわりに直接まくだけ」ととても簡単で、ピレスロイドの効果でシロアリの侵入を防ぎます。

薬剤成分の系統③「フェニルピロール系」は絶大な殺蟻力

フェニルピロール系薬剤には、シロアリの神経伝達を遮断し、呼吸障害を起こさせて窒息させる効果があります。ただし、人畜に対しても高い毒性を発揮するので、小さな子どもやペットがいる家庭での使用はおすすめできません。

含まれる有効成分

クロルフェナピル
シロアリ、ダニ、コナガに強い殺虫効果を発揮する、非忌避性、遅効性の成分です。

フェニルピロール系薬剤の効果

伝播性★★★
非忌避性★★★
遅効性★★★
安全性★
低臭性★★

フェニルピロール系薬剤は殺蟻性と伝播性、遅効性に優れているため、巣の中のシロアリも根こそぎ駆除することができます。しかし、シロアリ駆除剤の中では危険性が高い薬剤でもあるため、使用の際は十分な注意が必要です。

薬剤成分の系統④「フェニルピラゾール系」は少量でも強力に効く

フェニルピラゾール系薬剤は毒性が強いため、少量で多くのシロアリを駆除することができます。しかし、シロアリだけでなく人間やペットにも影響が出るおそれがありますので、使用量や使用方法を間違えないよう注意しましょう。

含まれる有効成分

フィプロニル
神経伝達を遮断する殺虫効果があり、シロアリ、ゴキブリなどの昆虫に効果を発揮します。遅効性があることが特徴です。
ピリプロール
シロアリを追い払う効果がある成分です。また、木材に吸着するため効果の持続性も高いです。

フェニルピラゾール系薬剤の効果

伝播性★★★
非忌避性★★★
遅効性★★★
安全性★
低臭性★★

フェニルピラゾール系薬剤も、フェニルピロール系薬剤と同様に高い殺蟻効果と、巣の中にいるシロアリまで駆除する効果が見込めます。ただし、毒性も強いので扱いには十分注意しましょう。

代表的なフェニルピラゾール系駆除剤

金鳥[キンチョウ] シロアリフォーム５００ｍｌシロアリ駆除剤

コンパクトなハンディタイプのシロアリ駆除剤です。泡状の薬剤を被害箇所に注入すれば、非忌避性の高いフィプロニル（フェニルピラゾール）の効果でシロアリを巣ごと駆除することができます。

薬剤成分の系統⑤「カーバメート系」は巣の中のシロアリ駆除にも最適

カーバメート系薬剤には、シロアリの神経伝達を阻害する効果があります。神経がマヒしたシロアリは食事や移動などの行動ができなくなり、最終的に死に至るのです。

含まれる有効成分

フェノブカルブ
殺虫剤として使われる一方、家畜などの体にダニ、ノミが付着するのを防止する動物用医薬品としても使用されています。

カーバメート系薬剤の効果

伝播性★★★
非忌避性★★
遅効性★★★
安全性★
低臭性★★★

カーバメート系薬剤は伝播性と遅効性に優れているため、「巣の場所が特定できていない」「巣の中のシロアリまでしっかりと駆除したい」という方におすすめです。しかし、人体に対する毒性もやや高く、シックハウスの症状を引き起こすおそれがあるため、とくに屋内で使用する際には注意してください。

薬剤成分の系統⑥「ホウ素化合物系」は屋内でも安全に使える

ホウ素化合物系は人などの哺乳類には高い安全性を示しますが、シロアリに対しては強い毒性を発揮します。シロアリの代謝機能を阻害する働きがあるので、ホウ素化合物系の薬剤を摂取したシロアリはいずれ餓死してしまいます。

含まれる有効成分

ホウ酸
鉱物などに含まれる天然成分。大量に摂取してしまっても腎臓で分解されるので人体に影響が出にくいです。

ホウ素化合物系薬剤の効果

伝播性★★★
非忌避性★★★
遅効性★★★
安全性★★★
低臭性★★★

ホウ素化合物系の薬剤はシロアリに警戒されず、さらには緩やかに作用するため巣にいるシロアリの巣にまで効果を伝播させることが可能です。安全性はもちろん、低臭性であることから、ストレスなくシロアリ駆除に利用することができるでしょう。

ただし、ホウ素化合物系の薬剤は水に弱いという特性がありますので、雨によって流されてしまうこともあります。そのため、床下の木材など雨に当たらない部分の施工に利用することをおすすめします。

代表的ホウ素化合物系駆除剤

白アリ通行止め 450g シロアリ予防剤

水で希釈して使用するシロアリ駆除剤です。希釈した薬剤は刷毛を使って木材に塗布します。臭いが少なく人には安全です。また、プラスチックや金属を変質させることもないので、人と建物に優しい駆除剤であるといえるでしょう。この製品1つで約20㎡の施工が可能です。

薬剤成分の系統⑦「ヒノキチオール系」はヒノキ由来の天然予防剤

ヒノキチオールとは、ヒノキから抽出されるヒバ油に含まれる成分です。天然由来の成分で人畜に害がないことから、化粧品や育毛剤などの肌に触れる製品にも利用されることがあります。シロアリに対しては忌避効果を発揮するので、家の木材に使用すればシロアリ被害を予防することが可能です。ほかの薬剤と比較すると、殺蟻効果がいまひとつのため、駆除ではなく予防に利用されることがほとんどです。