シロアリ被害は雑損控除が使える!対象内になる条件と申請の手順
大切なマイホームがシロアリの被害にあって「シロアリ防除を業者に依頼した」という方の中には、予定外の大きな出費に頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでぜひ利用してほしいのが「雑損控除」という制度です。雑損控除が適用されれば、シロアリ駆除にかかった費用が所得から控除され、そのぶんの税金が還付されます。
「そんな制度知らなかった!」「駆除してもらってから少し時間が経ってしまった……」という方も、まだ間に合うかもしれません。過去5年までさかのぼっての申請が可能ですので、まずは申請対象かどうかを確認してみてください。
当記事では、雑損控除の対象となる条件や、控除金額の計算方法、申請の方法をご紹介しています。
ただし、シロアリ防除にかかる費用と比べれば、雑損控除によって浮かせられる額は小さく感じるかもしれません。これからシロアリ防除をおこなうという方は、業者選びにもこだわることで費用を削減できるでしょう。
低価格で高品質なシロアリ防除をお望みなら、シロアリ駆除お助け隊にご依頼ください。
「雑損控除」とは?
シロアリによる家屋の被害も災害とみなされ、駆除や修理にかかった費用の一部が所得から控除(差し引くこと)されます。所得税は控除後の所得で計算されるため、そのぶん税金が安くなるのです。
雑損控除を受けるためには、納税者が申請手続きをおこなう必要があります。申請方法についてはのちほどご説明します。
「雑損控除」の対象内・対象外になる条件
税金が還付されるのなら、ぜひとも雑損控除の申請をおこないたいですよね。しかし、シロアリ駆除をおこなえば、すべての人が雑損控除を受けられるというわけではありません。
では、どのような場合に雑損控除が適用されるのでしょうか。対象内・対象外となる条件をそれぞれ確認しておきましょう。
【雑損控除の対象内】
雑損控除の対象内となるのは、以下のような被害によって生じた費用です。
- 自然現象の異変による災害(地震や雷、台風など)
- 人間による異常な災害(火事や爆発事故、横領・盗難事件など)
- 生物による異常な災害(害虫やその他の生物による損害など)
ただし、上記にかかる費用ならばすべて雑損控除を受けられる、というわけではありません。雑損控除の対象内となるためには、「申告者(納税する本人)が、損害などが発生した資産の所有者であること」が前提条件となります。(納税者と同じ生計で暮らしている配偶者など、年間総所得が38万円以下の親族の所有物の場合にも控除の申告ができます。)
また、雑損控除は、被害にあったのが、生活に最低限必要な資産である場合のみ、申告が可能です。いわゆる「衣・食・住」にかかわるものが、これにあたります。
そして「自宅のシロアリ駆除」は、「生物による異常な災害」に該当し、かつ「最低限必要な資産(住)」でもあります。そのため、「納税者本人が所有し、居住している家」であれば雑損控除の対象となるのです。
【雑損控除の対象外】
つい雑損控除の対象内と勘違いしがちな事象の中にも、じつは対象外となってしまうものがあります。たとえば以下のような場合です。
- 損害を受けたのが、事業に使用する資産である場合
- 損害を受けたのが、別荘や骨とう品・高級な貴金属など、日常的に使用するわけではない資産である場合
- 受けた損害が、詐欺や恐喝などによる場合
- 害虫駆除ではなく、害虫の予防対策である場合
上記にあるとおり、「シロアリ駆除は控除対象だが、シロアリ予防は控除対象ではない」というのも重要なポイントです。
控除の対象となるのは、所得税法によって「被害の拡大または発生を防止するため緊急に必要な措置を講ずるための支出」と定められています。つまり、被害が発生することが確定しているわけではなく、緊急を要するわけではないシロアリの予防対策費は控除の対象にはならないのです。
なお、雑損控除を申請する際には、駆除に要した費用を証明する領収書などが必要となります。もし、シロアリの駆除と予防対策を同時におこなった場合には、業者にお願いして領収書を分けてもらうようにしましょう。
【事例から学ぶ】実際に計算式から控除金額を知ろう!
ここからは、雑損控除の計算方法について解説していきます。シロアリ駆除の費用がどれくらい控除されるのか、実際に計算してみましょう。
「控除金額」の計算方法
雑損控除の金額の算出には、2つの計算式を使います。
- 差引損失額-総所得金額×0.1
- 差引損失額に含まれる災害関連支出額(※)-5万円
2つの計算式で算出した金額を比較して、金額の大きいほうが「控除金額」として確定されます。
※災害関連支出額:災害などで深刻な被害を受けた住宅や家財のあと片付けなどに要した金額。シロアリ駆除においては、駆除費用や修繕費用がこれに該当すると考えられる。
「差引損失額」の計算方法
控除金額の算出に必要な「差引損失額」は、以下の計算式によって導き出すことができます。
<差引損失額>
実際に損害を受けた金額+災害関連支出額-加入保険などにより受け取れる金額
実際に計算してみよう!
より具体的にイメージするために、以下の条件で控除金額を計算してみましょう。
- シロアリ駆除にかかった費用は25万円
- シロアリ被害箇所の修理費用は20万円
- シロアリ被害の損害金額(※)は10万円
- 住宅所有者(納税者)の総所得は400万円
- 保険などの適用はなかった
■まずは「差引損失額」を算出
<差引損失額>
損害金額+災害関連支出額-保険などにより受け取れる金額
+[25万円(駆除費用)+20万円(修繕費用)](災害関連支出額)
- 0円(保険など)
= 55万円(差引損失額)
■つぎに、2つの計算式で「雑損控除金額」を算出
<計算式①>
差引損失額-総所得金額×0.1
-400万円(総所得金額)×0.1
=5万円(雑損控除金額)
<計算式②>
差引損失額に含まれる災害関連支出額-5万円
-5万円
=40万円(雑損控除金額)
■計算式1と2で算出した金額を比較
計算式2から算出された「40万円」のほうが金額が大きいので、雑損控除金額は40万円。
実際に還付される金額は、これにさらに所得税の税率(所得金額によって変動)を掛け合わせたものです。年間総所得が400万円のときの税率は20%なので、還付される金額は以下のように導き出されます。
=8万円(所得税から減額)
「雑損控除」の申請方法
雑損控除による税金の還付を受けるためには、「還付申告」という手続きをおこなう必要があります。還付申告は確定申告のように時期が決まっているわけではなく、税務署が開庁しているときであればいつでも申請できます。
申請時に用意するもの
- 確定申告書
- シロアリ駆除の領収書
- 源泉徴収票
還付申告専用の書類というものはなく、確定申告と同じ申告書を使用します。
雑損控除の申請には、かかった費用を証明する「領収書」の提出が必須です。給与所得がある方は「源泉徴収票」も必要になるので、あわせて用意しておきましょう。
また、可能であれば領収書だけでなく、駆除の際に業者からもらった見積りなどの書類も準備しておいてください。これは、万が一税務署から雑損控除の内容について詳細を聞かれたときに、すぐに返答できるようにしておくためです。
申請の手順
雑損控除の申請手順について解説します。
まず、「申請時に用意するもの」にもあるように、「確定申告書」が必要になります。税務署の窓口で受け取るか、国税庁のホームページでダウンロードしてください。
つぎに、確定申告書に必要事項を記入します。雑損控除についての項目は確定申告書の「第一表」に記入する欄があります。
- 収入金額等
- 所得金額
- 所得から差し引かれる金額
- 税金の計算
- 還付される税金の受取場所
「3.所得から差し引かれる金額」の「雑損控除」の欄にシロアリ駆除の控除金額を記入します。「第二表」にも所得や住民税に関する事項を記入していきます。
記入が完了したら、領収書や源泉徴収票を添付してお住まいの地域(税金を納めている場所)の税務署に提出しましょう。
手続きは以上です。還付金は1~2か月後に「5.還付される税金の受取場所」に記入した銀行口座へ振り込まれます。
なお、マイナンバーカードやICカードリーダーが必要にはなりますが、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使ってインターネット上で手続きをおこなうことも可能です。
まとめ
当記事では、シロアリ被害が雑損控除の対象となる条件や、控除金額の計算方法、雑損控除の申請方法についてご紹介してきました。
「シロアリ駆除費を申告するだけで節税ができたなんて!」と驚いた方も多いのではないでしょうか。過去5年以内にシロアリ駆除を業者に依頼し、まだ雑損控除の申請をしていないという方は早めに手続きをおこなうことをおすすめします。
また、これからシロアリ防除をおこなうという方は、ぜひシロアリ駆除お助け隊にご依頼ください。「雑損控除で減税される金額だけでは不満だ」という方にも、納得の低価格・高品質でお応えします。
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